4葉quartet
ついにみつけた. ずっと探してた. もうこの森にはないかと思っていた. 大好きな針葉樹の葉っぱ.
冷え込んだ朝, 今日は仕事が休みなのでとっとと森に出かける. 出かけるとはいっても大体1~2hくらいで家に戻るのだけど. 陽射しが強く調光レンズの眼鏡はほぼ真っ黒でそのまま森に入ると夕方のように暗くなる. いつものようにお宝が落ちていないか足元を確認しながらいくと, 妙に白い色の葉が目に留まった. ひろってみると, ななんとヒバの葉だった. 正式名称は青森ヒバなのかアスナロなのか確かではないが, ネットでの確認だけど多分ヒバだと確信.
こんなにきれいだなんて…, あくまで私の個人の感性だけどとにかくきれいで驚いた.
ヒノキとサワラとヒバとスギがついに揃った.
最後にヒバのアップをどーぞ.
東北林野庁のHPで調べたら, このヒバの葉の裏の白い部分は気孔線というものらしい. サワラの葉の裏にもローマ字の"X"のような模様の気孔線があった.
それにしてもなんて美しいのだろう. 興奮して息子に伝えると葉を一瞥して終わった. まぁそんなもんだね.
白い気孔線はどんな役割があるのか, と思いネットでしらべた. 見つけた記事は, 樹を愛する方の樹についての備忘録. 謙遜されて書かれているけれど, 学者並みの論文のようだった. その記事によると, 白い気孔はワックスで, 葉を守る役目をしているらしい. 熱を加えると(この方はドライヤーで熱をあてた)白い色はなくなった. 針葉樹の葉のワックスに関する研究はまだ歴史が浅いため十分な研究がなされていないらしい, と記事を結んでいた.
この方の樹への愛情と知識の奥深さに感嘆した.
さて, この針葉樹の葉っぱたち, 見れば見るほど不思議な葉だ. ヒノキは棒針できっちり編まれたセーターのよう. サワラの葉はスウェーデン刺繍のような曲線だ, スギはリリアン編み, ヒバは彫刻刀でほられた版画のように白い気孔部分が少しえぐれていて表面は盛り上がっている.
生育上都合の良いようになっているのだろう. 芸術的なセンス(与えられたもの)で成長する自然の生き物の姿は美しいとしか例えようがない.
それぞれの季節ごとに花を咲かせ実を付け, 風にゆられ, 雨に打たれ, 雪をまとって大きくなる. そっと静かに, そしてしなやかに.
派手な演奏ではないけれど, 安定してゆったりとしたリズムでそこに生きる樹々の姿は私にはいつも目にしていたい存在だ.
帰り道, トントン, トントンと調子の良い音が聞こえてきた. 何の音かと見渡すと, キツツキだった.
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