落ち着かない日を送っている.
来月,あるいは再来月の中頃までにはなんとか決着を付けられると思う.順調にいったならばの話.
ストーブを出し,扇風機を片付けて冬に備える.
出勤時は日の出ではなく星を見ながらになり,途中日の出にお目にかかる.
日の出や夕日をみるとジッドの『地の糧』をいつも思い出す.
夕暮れを,一日がそこに死んでゆくのだと思って眺め,朝明けを,
万物がそこに生まれてくるのだと思って眺めよ.
君の眼に映ずるものが刻々に新たならんことを.
賢者とはよろずのことに驚嘆する人を言う.
毎日が初めての一日,昨日の嫌なことはお日様と一緒に沈んでもらった.
森の中では,木々たちが,生き物たちはどうだろう.
粉々になったドングリでいっぱいの道は,今は粉々になった葉であふれている. 木々の間から見える空の面積が広がり,空気の温度が下がる. いつの間にかキノコの黴臭いにおいは無くなり澄んださわやかな森の空気になった.
森の呼吸を感じる. 森と一緒に呼吸…
森の秋が私の体に入り込んで私の体も夏から秋の私になった. 一緒に冬に備えよう. 澄んだ空気と柔らかな日差しに体をさらして体に秋を沁みこます.
ジッドは25歳で『地の糧』を2年かけて書いたそうだ. 訳者の今日出海氏は25歳でこの書を読んで2年かけて訳したとあとがきに書いている. 青春の書. 今,還暦の私は未だにこの『地の糧』から卒業できていない. いまだに青春中なのか,あるいは精神年齢が著しく低いか. でも本人はこの書から卒業を望んでいない. ちなみに私がこの書を購入したのは20歳,大学生のときだった.
ずっと絶版だったこの書が2023,4に復刻版で出版されていた. 手元にある私の書物は昭和52年,第31版と書かれている.
正直にいうと,『地の糧』は私にとってバイブルのような書物,自身の考え方の指針になるほんだが,先に抜粋した箇所が私のなかの毛細血管の中に入り全身に行き渡ってしまって,他の文が頭に入っていない. 『地の糧』= 朝明けを……になっている.
還暦を記念してその枠から一歩踏む出すべく, 新版を購入して読んでみよう.
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