2023年8月31日木曜日

恩師の言葉

 高校の卒業式で語られた恩師の言葉を時折思い出す.

特によく話したとか授業でお世話になったとか

そういうことは無かった先生だがこの時のメッセージが

私の心に響いた.

”考えることは宇宙規模で,行うことは身の周りから”

確かこういう内容だったと思う.

もうかれこれ40年以上も前の話だから細かいところは違っているかもしれない.


その先生は純粋の日本人だったけれどとても背が高くスマートな方だった.

もう90歳近いはず.

そして私は一目その先生を見て,"黄色い帽子のおじさん"を思い出した.

あの”ひとまねこざる"に出てくる黄色い帽子のおじさん.

○○先生ではなく,黄色い帽子のおじさん,と心の中で呼んでいた.


心に響いた言葉は私の中に住み着いた. そして本当に時折芽を吹く.

残念ながら芽は吹いても花は未だ咲かせられていない.


日が沈んでも窓を開ければムワッとする空気で

でも夕暮れは早くやってきて雲は薄く厚みがない. 雲間に日が入ると一気に暑苦しさが

弱まってくる. 


夏,特に湿度と暑さに弱い私は,秋が待ち遠しくて待ち遠しくて.

太陽の残照を雲間に照らしながらだんだん暗くなる空を見て

ときはゆっくり進んでいると感じる.


コオロギが静かに鳴きだした.



散歩帰りの公園で, いち早く色づきだした桂の木



2023年8月29日火曜日

散歩とごほうび

仕事が終わって

夕食の準備もできた.

外は相変わらずの強い日差しだけれど

風が,湿気を帯びていない軽い風が私の体を通り抜ける.

よし,散歩に行こう.


森の中は薄暗い.

日差しが木で遮られているから.そしてとても心地よい.

大きく大きく深呼吸をすると森との一体感が感じられる.


思いっきり森を堪能して帰り道,

100段ある階段を一気に駆け上がる.

ゼイゼイしながら足元を見ると,マルマルとしたドングリがちょこんと落ちていた.

ご褒美かな?

遠慮なくいただいた.


              階段の途中で拾ったヤマボウシの実とドングリ

2023年8月27日日曜日

山の気持ち,人間の都合

 被災地…昨今,毎年どの季節にも災害が起こり,

日本全国どこも被災地になりうるかように感じる.


東日本大震災の被災地に住んでいる .

震災から1年くらいたったころから,サイクリングをしていると

何か景色に違和感を感じるようになった.

その違和感の正体は,山が削られ,あるいは丸ごとなくなっていたことだった.


復興の名のもとに,建物がどんどん建てられていった.

どんどん木が伐採され,山が削られた.

復興って何だろう.

木を切られ削られた山は,地肌をさらされみじめにみえた.

泣いているように私には感じられた.


新しい建物を批判しているのではない.

ただあまりにも人間の都合を優先し過ぎではないか,と.

その地での生き物の生態系を思った.


それからしばらくして

イノシシや猿,熊等の人家付近への出没件数が圧倒的に増えた.

自然のバランスを思った.


ここ2,3年は山の頂上がギラギラ光っている光景を目にするようになった.

太陽光パネル.

山の表面がチタンの色で覆われている.

異質な光景に感じた.


人と自然との共存,共生.

良い方法は……どこに.



ヒマラヤスギの実とトウカエデの実




2023年8月26日土曜日

刻々と‥‥

 酷暑に熱帯夜続きでくたくた.

だけど,毎日ほんの少しづつ日の出が遅くなり日の入が早くなってきてる.

明らかに刻々と秋.

そういえば,風は軽くなったし,空気も澄んできたし,

夜には虫の声が聞こえてきたし,赤とんぼもとんでいた.


まわりは,地球の生物は着々と季節を運んでいる.

暑い暑い,とうだっているのは人間だけ?


ドングリの実も大きくなってきた.

栗のイガも茶色になってきた.

モミジのてっぺんが赤くなってきた.


うれしい,とってもうれしい.

季節はどれもすてきだけれど,何といっても秋,そしてそれからの冬.

私が心躍る季節.

どうか,どうか短い秋ではなく,じっくり季節を楽しめるくらいの

スパンで秋を留めてほしい.


ムワッとする甘いにおい,見上げると葛の花が咲いていた.




世の中をうつくしく(Ⅰ)

 "ルピナスさん"(Miss Rumphius)

私の大好きな絵本.

バーバラ・クーニーが文と絵を描いている.

この作者の絵本を読むと,自然が大好きなんだなぁと,すべての生き物への愛を感じる.

主人公のアリス(ミス・ランフィアス)はおじいさんと約束をする.

==世の中をもっと美しくするために,なにかしてもらいたい==

(You must do something to make the world more beautiful)


世の中を美しく……

それは,街やあるいは家の周りをきれいにすることだったり,

誰かに笑顔をもたらすことだったり,

悲しみの中にいる人に静かに寄り添うことだったり,

いろんな方法があると思うけれど私の,私ができる,したいことって

何だろう.

人生後半戦,それを見つけるのは私の課題.



散歩で見つけた森の仲間たち




2023年8月19日土曜日

森と人の境界

 年齢のせいか,過去を振り返ることが多くなりました.感情的でも感傷的でもなく,淡々と思い出す.人生のまとめの時期に入ったということでしょうか.


私は自然,特に森や林,草原のようなところで動き回るのが大好きです. 

何をするでもなく,散策したり木を見て回ったり,

 時には林道をロードバイクで走り抜けたり.

そうするとエネルギーが湧いてきて,自分が自由であることを実感します.

フィトンチットの香りに包まれたときは, 

そこの空気と一体になったような心地になります.

 

梨木果歩さんの”エストニア紀行”の中でこのような文があります.

 

人が森の入るときは,森もまた人に在る.現実的な相互作用 一人の出す二酸化炭素や持ち運ぶ菌等が森に影響を与え,人もまたフィトンチット等を受け取る一 だけでなく,何か,互いの浸食作用で互いの輪郭が少しぼやけてくるような,そういう個と個の垣根が無くなり,重なるような一瞬がある.生きていくためにそういう一瞬を必要とする人がいる.

生きていくためにそういう一瞬を必要とする人がいる…

読みながら深くうなずき,うれしくて,感激して,

心がじわじわとあたたまって満ち足りたようでした.


雑木林とは原生林ではなく,人の手が入った自然林だと,最近しりました.老後は雑木林を購入し,下草を刈る等手入れをし,木の実を拾ったり,花を摘んだり,思う存分我が林を愛でたい,私の夢です.



ローズマリーは自宅のもの,ドングリは目の前の公園で.

台風により強風で楢の小枝が若い実を付けたままあちこちに落ちていました.


自分の本当の音楽

さあて,ブログ投稿二日目.今日こそはガンガン書くぞ,と意気込んでみたけれど
あーでもない,こーでもないと頭の中で言葉をいじくり
結局何も始まらない状態で…

なのでやっぱり今回も,いいえきっと当分になるとおもうけれど,
私の好きな言葉で.

"この世のものはなんでも一木や,岩や,星や,人間や一なんでもみんな,じぶんの本当の音楽を持っているんだよ"
 
『メアリー・ポピンズの叡智 P・L・トラヴァースとアフタヌーンティー』 より



自宅前は大きな森林公園で大半は国有林. 仕事の行きかえりは公園内の道を通って通勤.
今日の帰り道,暑くて公園の道の途中で一息つていたら,鳥さんが優雅に囀りだした.
最近分かったのだけれど,どうやら"ガビチョウ"という外来種の鳥らしい. しばしその囀りに聴き入った. 

 木の音楽,風の音楽,空の音楽,鳥の音楽そして私の音楽.
 それぞれの音楽,想像するだけで楽しくなります.







2023年8月16日水曜日

The Sence of Wander

 The Sence of Wander

     地球の美しさと神秘を感じとれる人は,

科学者であろうとなかろうと,

人生に飽きて疲れたり,孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう.

   地球の美しさについて深く思いを巡らせる人は,

生命の終わりの瞬間まで,

生き生きとした精神力をたもち続けることができるでしょう.



レイチェル・カーソン

  今日初めてブログを投稿します. 頭の中は書きたいことがいっぱいだったのに,いざPCに向かうとさっぱり言葉がでてきません. 
  なので最初は私の大好きな言葉をメッセージにします.

  まもなく還暦になります.  子供のころ,60歳といったら本当に白髪のおばあさんのイメージでした. そして人生の達人, 生き方の達人になっていると思っていました. 生きるってなれないものですね.

 

 私の住んでいる所は強風程度ですが,台風が猛威を振るっているようです.
 被害が最小でありますように.